フェルメール 光と影の魔術師
真珠の耳飾りの少女 1666年 マウリッツハイス美術館
何気なく振り向いた視線の先には
どんな未来が待っていたのだろう
光と影をその身に映して、想いは遥かな時を翔ける
朝陽が柔らかに室内を満たしている
武骨で、逞しい人間の営みを光に包んで
人はまた、確かな一日を信じることができる
人間は、この地の大きさを知った
それは同時に、人間の小ささを知ったということでもあった
地理学者 1669年 シュテーデル美術研究所
それでも新しい知識は、海を巡る冒険に人間をいざなった
海と大陸を、コンパスと地図を携えて
未来へ希望をつないだのだ
窓辺で手紙を読む女 1659年 ドレスデン国立絵画館
言葉は、人に何を伝えられるのだろう
悲哀、歓び、戸惑い、逡巡、
そよ風は心地よいか、文字は心に響いたか、
そして光はその身に優しいか
レースを編む女 1670年 ルーブル美術館
いつも可能性は、日常に込められた想いから始まる
指先が紡ぎ出す愛と創造を
永遠の記憶にとどめよと、私たちに伝えたのだ