遥かなる「知」平線

歴史、科学、芸術、文学、社会一般に関するブログです。

ダ・ヴィンチの作品

アンブロジアーナの貴婦人の肖像

リスクを負わない者は勝利を手にすることができない。リスクとは、負けることによって認識すべきものではない。だが、日本人は、そのようにして生きているように思える。 誰もが敗戦を恐れすぎている。かつて(日本はパールハ-バで)リスクを負った。・・何…

ダ・ヴィンチ アトランティコ手稿

この世界には二種類の人間がいる。疑問をもち答を得ようとする者と、答は与えられるものだと思っている者。・・ わたしは疑問をもつ者だ。あらゆることに疑問を投げかける。・・・問いかけることは生きている証だ。 手垢にまみれた答をそのまま受け入れ、『…

ダ・ヴィンチ 美しき姫君

哲学(フィロソフィー)は、科学(サイエンス)と同じく、誰かがごく一般的な疑問をいだいたときにはじまる。(バートランド・ラッセル『Wisdom of The West(西方の知恵)』) 人間は、自分自身を支配するよりも大きな支配力も小さな支配力も、もつことはでき…

ダ・ヴィンチ モナ・リザ

第二のモナリザ(3) 見解は重要だ。原理は重要だ。言葉は重要だ。きみの言葉はなによりも重要だ。きみの言葉は、きみという人間なんだ。 これが最後の教訓だ、ジャック。きみはここに立脚しなければならない。トム・クランシ― 『いま、そこにある危機』 文…

第二のモナ・リザ(2)

「なあ、ユリアン、ものごとって奴は、最初のうちはなかなかうまく運ばないものでな・・・」 「時間がたつと?」 「だいたいは、もっとひどくなる」(田中芳樹 『銀河英雄伝説』 徳間書店) 前回に引き続き、『第二のモナ・リザ』に関係する人々の歴史的な動…

第二のモナ・リザ(1)

なぜ夢の中では、目が覚めているときに想像力によって見るよりも、はっきりと物が見えるのだろう(ダ・ヴィンチ) この話題も少し時間が経ってしまった。が、モンモとしては書かなくてはなりますまい。ダ・ヴィンチは連載中なので、『モナ・リザ』は最後のほ…

ダ・ヴィンチ ほつれ髪の女

人間よ、おまえには自分の種属がどう見えるのだろうか? 一体おまえはひとりで自惚れてるほど賢いものなのか? われわれのあらゆる認識は感覚にはじまる。(ダ・ヴィンチ) 先日、『レオナルド・ダ・ヴィンチ 美の理想』展(Bunkamuraザ・ミュージアム)に…

ダ・ヴィンチ 岩窟の聖母

影は光よりも大きな力を持っている。何故なら影は、物体から光を禁じこれを完全に奪うが、光は物体つまり個体から影をすっかり追い払うことは絶対にできない。(ダ・ヴィンチ) ダ・ヴィンチに『岩窟の聖母』という絵がある。しかも二枚。10月1日に、TV…

ダ・ヴィンチ チェチリア・ガッレラーニの肖像

「絵画」は一瞬のうちに、視力をとおしてものの本質を君に示す。(ダ・ヴィンチ) 7月17日に書いた記事、 monmocafe.hatenablog.com の中で私は、「肖像画においてダ・ヴィンチは、いきなり真正面から対象の本質を摘出する」と臆面もなく書いた。 実は、その…

ダ・ヴィンチ アンギアリの戦い

”Cerca trova”「探せ、さすれば見つかるであろう」(「マルチャーノ・デッラ・キアーナの戦い」の壁画に、ヴァザーリ自身によって書かれた文字) ピーテル・パウル・ルーベンス 『アンギアリの戦い』 1603年 ルーヴル美術館ダ・ヴィンチ作 『…

ダ・ヴィンチ サルバトール・ムンディ

良い画家には目的が2つある。ひとつは人間を描くこと、もうひとつはおのれの魂の意図を伝えることだ。 画家の最大の目的は、立体を平面な面に描きながら、それが平面から切りはなされ、立ちあがるように表現することだ。(ダ・ヴィンチ) レオナルド・ダ・…

ダ・ヴィンチ 最後の晩餐

十分に終わりのことを考えよ。まず最初に終わりを考慮せよ。(ダ・ヴィンチ) ダ・ヴィンチ 『最後の晩餐』 ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会 (縦4.5メートル、横8.8メートル壁画) 「汝らのひとり、我を売らん」イエスが、そう言った…