遥かなる「知」平線

歴史、科学、芸術、文学、社会一般に関するブログです。

2012年マウリッツハイス美術館展(1)

実際に戦う者が、何が必要か決めねばならない。
会計係の仕事は、それを予算のなかで実現できるよう
知恵をしぼることだ。

確執は当然ある。が、決定を下すのは、
実際にものをつくったりする者たちであるべきなのだ。

真に良質な人間たちは、
自分たちが求められているところへ行く。
彼らは自分が行くべき場所を知っているようだ。
(トム・クランシ― 『合衆国崩壊』 新潮文庫


既にマウリッツハイス美術館で展示されていた2点のフェルメールをご紹介しましたが、この美術館は17世紀の絵画を中心に、とても見ごたえのある絵画をたくさん収蔵しています。

もともとこの美術館は、ヨ-ハン・マウリッツ(1604-1679)の私邸として17世紀に建設されました。この邸宅が美術館に転用されるのは19世紀以降(1822年に国の美術館として開館)のことです。

上野での展示を終了して、現在は神戸市立博物館で2013年1月6日まで開催されています。フェルメール絵画2点の紹介だけではちょっともったいないので、他の絵画もご紹介しておきましょう。

 

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マウリッツハイス美術館

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ヨ-ハン・マウリッツハイス胸像
バルトロメウス・エッヘルスによる原作の模刻。
大理石によるオリジナルはジーゲン(独)にある彼の墓にあるという。

 

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アントーン・フランソワ・ヘイリヘルス 『マウリッツハイスの「レンブラントの間」』1884年
この美術館の目玉作品の一つであるレンブラントの「ニコラース・テュルブ博士の解剖学講義」が絵の中に見えます。レンブラントの絵画は別途ご紹介しましょう。

 

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アンソニー・ヴァン・ダイク 『アンナ・ウェイクの肖像』1628年

裕福な織物商ペーテル・ステーフェンスの妻、アンナ・ウェイクを描いたもの。
ヴァン・ダイク肖像画は、どれもなかなか存在感があります。

 

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フランス・ハルス 『笑う少年』1625年
「17世紀オランダ絵画が生んだ最も偽りのない笑顔」とありました。

 

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ペーテル・パウルルーベンス 『ミハエル・オフォヴィウスの肖像』1615-1617年頃
ミハエル・オフォヴィウスは、ルーベンスと親しかったドミニコ会修道士。

 

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ヘラルト・テル・ボルフ 『手紙を書く女』1655年
フェルメールの風俗絵に通じるものを感じます。

 

(参考)今回のマウリッツハイス美術館展で展示のフェルメール作品

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