DNAに刻まれし「魂のルフラン」
もうすぐ一年が過ぎる
あなたにはどんな一年だっただろうか
出発の年、出会いの年、別れの年、
季節が変わるたび、人は人生のページをめくる
綴られる言葉は、どんな色合いを帯びるのだろう
幸せか、悲しみか、喜びか、落胆か、
この惑星に、戦争、暴力、抑圧、疫病、貧困はあり続ける
人々の願いとは遠く離れたところで、
この地球に責任をもつ者たちは何をしているのだろう
そして私たちは・・・
きっと今、この時、それぞれの場所で、世界を支えている。
一人一人のささやかな、しかし懸命な力が
人間の未来を創り出すのだと
心のどこかで信じている。
だから、
宇宙(そら)へ放った「はやぶさ」も
6年後の邂逅を約束して
52億キロの虚空へ旅立っていったのではなかったか。
地球の起源を知ることで、
未来につながる何かを手にすることができると。
人間は未知の領域へ、明日への道を探す
太陽系、これから50億年の運命と闘って
ハヤブサ2(想像図)
過酷な環境に出会うたび、生命は自らを進化させ、
太古、私たちの祖先はアフリカ大陸から新世界へ旅立った
彼らは新天地に、自分たちの命運をかけたのだ
アウストラロピテクス・セティバ(南ア共和国)
そして苦難ばかりの歴史を歩き続けた
己の勇気と気概を胸に、
ひと時の祝祭を明日への糧にして、道を拓いた。
夥しい犠牲と失敗の上に、
ほんの一瞬の、ゆるぎない成功を少しづつ積み重ねたのだ。
カヌー「ホクレア」 (ポリネシア)
試みがなければ、希望もなく、可能性もまたない
私たちは何度でも冒険に出るだろう
諦めずに未知の世界へ挑みつづけるだろう
かつての人間がそうであったように
そこにあるのは、命をつなぐことへの渇望。
人間のDNAに刻まれし「魂のルフラン」
高橋洋子『魂のルフラン』新世紀エヴァンゲリオンより(YouTube)