映画 GODZILLA KING OF THE MONSTERS 2019
「ゴジラをペットにするのか?」
「いや、我々がペットになるのだ」
(映画 GODZILLA KING OF THE MONSTERS 2019)
地球の人口は増えすぎた。人類そのものが地球環境を壊している。
だから、地球環境にバランスをもたらすべく、古代に生息した怪獣たちを人為的に目覚めさせ、人間のコントロール下に置こうとする人間たちが現れる。
人類の作り上げてきた文明が破壊されようと、多くの人間が死滅しようと、自然にまかせれば、やがて地球は自然と人間のバランスを取り戻し、生き残った人間は再び文明を築きあげるだろう。
これに対抗する術はあるのか。
ゴジラがいるではないか。
「ゴジラをペットにするのか?」
「いや、我々がペットになるのだ」
そこまで言わせるか。
環境テロリストたちは、古代に生息し今は眠りについている怪獣たちを目覚めさせていく。それは、やはり地球の危機に他ならない。
人間の味方なのか敵なのか、地球の危機にゴジラもまた、現れる。
(上)ラドン (下)キング・ギドラ
地球由来の怪獣ゴジラ、宇宙由来のキング・ギドラ。怪獣たちの盟主の座をめぐって、戦う怪獣たち。盟主はゴジラか、キング・ギドラか。
怪獣たちの圧倒的なエネルギーの前に、人間の軍事力など無力でしかない。
家族愛をめぐる人間の物語すら、ゴジラたちを引き立てる調味料か。
映画館を出てきたとき、あなたは頭の中を一瞬に過ぎ去った暴風雨に、呆然とする自分に気づくだろう。
一体、「あれ」は何だったのかと。
そこに人間の文明論など、取ってつけた「お話」など入り込む余地はなく、ただ原初「ゴジラ映画」が持っていた「愛すべきゴジラ」が、あなたの心にその残像を残すだろう。
ゴジラを助けるべく、自らを犠牲にして核のボタンをセットする芹沢博士の言葉とともに。「さらば、友よ」と。