eの計算
世界は粥で造られてはいない。
君らは怠けてはいられない、
堅いものは噛まねばならぬ。
喉がつまるか消化するか、二つに一つだ。
(ゲーテ)
「わかる」とは、少なくともそれに関して二つ以上の説明の方法を持つこと。
それが出来たとき、はじめて私は「本当にわかった」と感じる。
(ファインマン)
前回πの計算を最も原始的な方法でおこなった。πの計算をしたのなら、eの計算もしなければならいでしょう。と、前回のπの計算と同様、電卓を片手にeの計算をしてみた。
eと言えば、接線の傾きがx=0で「1」となる指数関数の底として高校では習ったのだが、そう詳しくは追求しなかった。
eが無理数であることの証明には触れずに、12桁の電卓で表すことのできる数字を使ってどうすれば計算できるのか。底が10、次に底が2の指数関数のx=0付近の近似式(一次関数)を手掛かりにeの値を求めることから始める。
そして行きがかり上、結果は分かり切ったことなのだが、同じように底をeにした指数関数を使って念のために計算してみたのが下記になる。
経験主義的に、こうした計算を実際にしてみると、そこに現れてくる定数eに驚かざるを得ない。自然界のベールを脱いでそこに何がしかの真理がその顔を覗かせている。そして自然界に通底する法則を表現する数式に頻繁に出現するπとe、その由来について全く無関係であるはずのπとeはどのようにして結びついてくるのか、それはまた別の話としてご紹介できるときもあるでしょう。