遥かなる「知」平線

歴史、科学、芸術、文学、社会一般に関するブログです。

睡眠思考

これは、不思議な体験なのかどうか分かりませんが、霊的な体験ではありません。
どうやら、脳の働きに関することのようなのですが、モンモにとっては、とても不思議な出来事でしたので書いてみました。
経験されている方は、多分プロフェッショナルだと思います。

 

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【とっても若い時のこと】
夜10時過ぎに会社のビルの夜間通用口を出て帰途についたのです。
考えていたプログラムのアルゴリズムが、まだ頭にこびりついていました。

この処理はこうする、それから?・・・
新宿へ向かう道路を、地下鉄の駅へと、考えながら歩いていた。
ソースコードを思い浮かべながら、ああして、こうして・・・・。

パパ―ン!!

いきなり、車のクラクションで頭を上げた視線の先には、赤信号。
モンモは、赤信号の歩道を道路の半分まで歩いていたのでした。
あわてて、残りを渡りきって、地下鉄の入り口を入っていった。
あ~、危なかった、危なかった・・・。(汗)

それでも、何故かすぐに頭の中は、「あの処理は、ああして、こうして・・」
新宿で、電車を乗り換えても、ずっと「ああして、こうして・・」
独身寮へ向かう道すがら、ずっと頭の中はプログラムのロジックが、
「ああして、こうして・・」とぐるぐる回っていたのです。

お風呂に入りながら、雑用をしながら、そして、布団に入って目を閉じて、
「ああして、こうして・・」
と考えながら、寝入ってしまったのです。

夢も見ました。
「ああして、こうして・・」
夢の中で、考えていたのでしょうか。

そして、「そうだ、こう処理をすれば一番効率的な処理ができる」と
答えが出たところで、朝、目を覚ましたのでした。

「えっ?夢の中で考えて、結論を出した?ウソ~」

会社へ出社し、さっそくプログラムのコードを作ったのです。
私にとっては、たった一度きりの、夢の中で「問題を考え解決した」不思議な体験でした。

【えっ?睡眠思考?】

随分と時が経って、ある本(注)を読んでいました。
それには、一流のプロフェッショナル達の話が書いてありました。

何と、昔体験した、寝ている間に考える、ということを日常的にしている
人のことが書いてありました。

どうやら、寝る前に集中して考え、眠ると、脳は自動的に思考を続けると言うのす。そして、脳は、寝てる間に記憶を整理するので、朝が一番脳にとって新鮮な状態になるのだそうです。

あるプロは、仕事場で、集中して考えながら、机の前で椅子に座りながらちょっとの時間寝るといいます。その間、脳は自動思考をして、結論を出して目を覚ますというのだそうです。こんなワザがあるんですね。

これはやってみるに限る。
なんせ一度経験しているだけに、会社でさっそく試した。
・・・
「モンモさん、ハイ資料、なに寝てるんですか」
という、女子社員の声で目が覚めた。

あれ??睡眠思考のはずが・・・モンモは、ぐっすり寝ていたようでした。(泣)
「睡眠思考をしていた」なんて、誰も信じてくれませんのでご注意を。

 

(注)茂木健一郎NHK「プロフェッショナル」制作班『プロフェッショナルたちの脳活用法』NHK出版
【参考文献】外山滋比古 『思考の整理学』 ちくま文庫