赤色超巨星 ベデルギウスの近づく最後
この季節、まだ冬ほど星空は美しく輝かない。
古来より、人間は星空を見上げてきた。
星空に、神話を写し込み、物語を語った。
そして時に、常ならぬ流星雨や彗星、超新星の出現におののいた。
しかし一方で、星々を観察し、地球が宇宙の中心だというドグマから脱し、人間の視線をはるか宇宙の彼方へと導いた。
いまだ人間は、空を、星空を、宇宙を見続けている。
宇宙の大きさ470億光年のその先に何があるのかと。
(ウィキペディアより)
オリオン座、冬の夜空で、もっとも有名な星座の左の肩に赤い星が見える。シリウス(写真下左寄りの青白い星)、プロキオン(写真左上の星)とともに、冬の大三角形を作るベテルギウスという星である。
(ウィキペディアより)
地球から640光年の距離にあり、太陽の1000倍、3000℃の赤色超巨星である。
このベテルギウスに異変が起こっている。
星の表面は、こぶのようなものができ、大きく変形しているというのだ。
(下の写真の白く写っている部分)
(ベテルギウス)
ベテルギウスは、死を迎えつつある星である。
99%その寿命を終えているらしいのだが、その最後は数万年後かも知れないし、明日起こるかも知れないともいう。
最後は大爆発を起こすが、それは超新星爆発と呼ばれる。
地球から見れば、満月の100倍の明るさで3カ月もの期間光り、昼間でも見えると言う。
人間は、地球の大きさを測り、ついに宇宙の大きさまで測ってしまったが、しかし未だ知られざるドラマが宇宙では起こりつつある。
秋から冬の時期、時には星空を見上げてみてはどうだろう。
太古の人間たちが見上げた星空が、そこに広がっているが、ひょっとして驚くべき天体ショーが見られるかも知れない。