遥かなる「知」平線

歴史、科学、芸術、文学、社会一般に関するブログです。

地球の大きさを測る

私は、砂漠で小石や貝を拾って遊んでいる子供のようなものだった。
真理の大海はいまだ発見されることなく目の前に広がっている。
ニュートン

 

人間は、宇宙の大きさを測ってしまいました。
宇宙の年齢は137億年とすると、宇宙はこの間膨張を続けました。
この膨張速度Vは、光の速度Cとほぼ等しいので、
現在の宇宙の地平線の半径Rは、(光速度)×(137億年)と求められます。

では、そもそも人間が宇宙の大きさを測ろうなんて思う前に、地球の大きさを測った、というより推定したのはどんな方法だったのでしょう。

 

古代ギリシャエラトステネス(BC3~2世紀)という科学者がいました。
彼が住んでいたアレキサンドリアでは、夏至に太陽は天頂より少し南を通過し、
アレキサンドリアから南に5000スタディア(注)のシエナというところでは、
太陽はほぼ天頂を通過します。
(注)スタディアは当時の距離の単位 10スタディア=1.5㎞

アレキサンドリアで地面に垂直に棒を立て、その影の先端と棒の先を結んだ角度をはかると7度ありました。

f:id:monmocafe:20190509202230j:plain


地球の中心からシエナアレキサンドリアの角度は、その7度に等しい(錯角)ので、
地球の円周(極円周;北極と南極を通る円周)をLとすると、
7/360=5000/L で  L=257142.85スタディ
すなわち、L=257142.85×0.15=38571.43㎞ になります。

実際は、39920.4㎞ですが、ほぼ等しい大きさを測っていたことになりますね。

ちなみに、赤道円周は、40054.7㎞です。ほぼ4万㎞と覚えておいて下さい。
地球はちょっと扁平なのです。

 

ちっちゃな人間の存在ですが、なんとも大きな地球をその頭脳は測ってしまったことに、モンモは昔大変感動したものです。
そして、宇宙の大きさまで測ってしまうんですから、人間って、なんてすごいんでしょう。お友達や家族の皆さんに是非教えてあげて下さい。

 【出典】
渡部潤一 『ガリレオがひらいた宇宙のとびら』 旬報社 2008年
ニュートン別冊 『宇宙や法則がよくわかる やさしい数学の世界』 2009年