遥かなる「知」平線

歴史、科学、芸術、文学、社会一般に関するブログです。

マイナスのストレス

未だにその意味がわからない話がある。

何かとストレスの多い時代、メンタルのことで長期療養となる人も多いので、3年前だったか会社でも外部機関に依頼して社員の「メンタルチェック」を行ったことがある。

少なからぬ項目に、直感で答えていく。「最近夜眠れるか」「朝は起きられか」・・・などの項目にマークシートで答えていく。

何日かして結果が返ってきた。数値が高ければ、外部機関から個人宛に連絡があり、カウンセリングを受けられるというシステムになっている。個人情報に関するものでもあり、会社には結果は分からない仕組みになっている。

 

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どれどれと、封を開けて結果を見たら、グラフが表現されているところがあり、数字が記されている。グラフの説明に「グラフの横棒が長ければストレス度合いが強い」と書いてあり、「どこがモンモのグラフなんだ?」と見てもよく分からない。

数字は「5」とあったので、「なんだ低いではないか」と、モンモの席の前に座っていた同僚のタムタムと話していた。

「数字が40位の人もいるらしいですよ」
「そうなんだ、・・でもさ~タムタム、グラフってあるらしいんだけど、どれがそうなんだ?」
「ん?横に棒グラフが出てるでしょ?」

よくよくみても、それらしい横棒がないようなのです。
そして、数字の「5」の前に、何やらゴミみたいに小さく”‐”とあって、「これゴミだよね」とタムタムに見せたのです。

「どれどれ」とタムタムがモンモの結果票を覗き込みます。

「これは、マイナスじゃないですか」と、ちょっと驚いた声をあげます。
「えっ、マイナスってどういうこと?」
「ほら、だからグラフが出てないんですよ」
「・・・・」

モンモのストレス「‐5」。

その話が、職場中に、アッという間に伝わってしまいました。
モンモさんのストレス、マイナスだって
えっ、うそ~
なになに、マイナス?まさか

モンモは、さざ波のように広がっていく「まさか」「うそ~」「信じられない」という驚きの声を遠くに聞きながら、茫然とその結果票を眺めやっていました。

「でもさあ、タムタム、これってシステムのバグ(不具合)なんじゃない?」
「さあ、それは考えにくいんじゃないの?大勢の人が利用してる外部機関のものだから」

何日かして、退社して駅へ向かう途中、上司のハラナさんと一緒になりました。途中の駅まで同じルートなのです。よもやま話をしながら歩いていたのですが、この話になりました。

「20を超える奴も結構いるんだ」とハラナさん。
「私、‐5でしたよ」
「えっ・・、モンモのことか~。マイナスがいるとは聞いていたんだけど・・」
「しまった、言わなきゃよかった」

そうなんです、ただでさえモンモは遊んでいると思われているのですから、ハラナさんの続くであろう言葉が聞こえるようでした。
(「モンモ、そんなに暇なのか」)

それにしても、ストレス度がマイナスとはどういう意味なんでしょう。
ストレスが全くなければ、「ゼロ」。
マイナスは「楽しい」ってことなんでしょうか。

そもそも、ストレスという精神状況を数値化するプログラムのアルゴリズムに妥当性があるのでしょうか。モンモの「疑い」は、未だに続いているのです。