2011年ヴェネツィア展 江戸東京博物館
以前、塩野七生さんの『海の都の物語』からヴェネツィアをご紹介しました。
先日、ヴェネツィア展が江戸東京博物館で開催されていたので行ってきました。
ナポレオンによって亡ぼされるまで、1000年に渡って存続したヴェネツィア。
終身のドージュ(元首、総督)を戴くということで君主制的、元老院を持つということで貴族制的であり、且つ共和国国会を持つ民主制という意味で共和国であった。
イタリア後期ルネサンスを担い、第4回十字軍でこともあろうに、コンスタンティノーブルを略奪した主役でもあったのです。
ここに、ベネツィア展の一端をご紹介致しましょう。
サン・マルコ広場 ドゥカ―レ宮殿
ヴィットーレ・カルパッチョ 『聖マルコのライオン』
1516年 ヴェネツィア ドゥカ―レ宮殿
聖マルコの遺骸をヴェネツィア商人がアレキサンドリアから持ち込んでから、聖マルコはヴェネツィアの守護聖人となった。ライオンは、旧約聖書の預言者エゼキエルの幻影に由来し、「力」「知恵」「高貴さ」「自分の子の保護」などを象徴し、ヴェネツィア共和国の最も重要なシンボルとなった。
聖マルコのライオン(ブチントーロの旗)
アンドレア・ミキエッり 『レパントの海戦(1571年)』
1571-1600年 コッレール美術館
キリスト教軍とオスマントルコとの海戦。キリスト教軍の中核部隊を構成したのがアンミラーリオ・セバスティアーノ・ヴェニエールに率いられたヴェネツィア艦隊であった。
オスマントルコ軍は大敗するが、その後すぐに海軍を再建する。しかし、西地中海へ勢力を伸ばすことはなくなった。
ナザーロ・ナッザーリ 『ドージュ(総督)マルコ・フォスカリーニ』
1763年コッレール美術館
マルコ・フォスカリーニは、1762年にドージュに選ばれたが、1763年3月に亡くなった。彼は歴史家にして文学者、著書に『ヴェネツィア文学史』がある。
バルバリゴ家出身のドージュ(総督)の一人が使用した総督帽(コルノ)
1485年-1500年頃 コッレール美術館
機械仕掛天球・地球儀 16世紀 コッレール美術館
ヴィンチェンツォ・コロネッリ 地球儀 1688年 コッレール美術館
ヴェネツィアは地中海に君臨した海運国であった。東方貿易、十字軍の運搬、そして自らの権益を守るための強力な海軍を擁した。
天球儀や地球儀は地中海での覇権を象徴するが、それはまた新たな大航海時代の到来、そして科学の時代の到来も意味した。
クリスタル・ガラスの水差し(ムラーノ製) 15世紀末-16世紀初 ガラス博物館
灰褐色がかった杯(ムラーノ製) 16世紀
ダイヤモンド・ポイント線刻、金箔による装飾 ガラス博物館
カ・レッツォーニコ様式のシャンデリア 19世紀-20世紀
リアルト橋
カナレット工房 『サル―テ教会付近のカナル・グランデ』 1740年 カ・レッツォーニコ