小さな部屋から
To-morrow,and to-morrow,and to-morrow,
Creeps in this petty pace from day to day,
To the last syllable of recorded time;
And all our yesterdays have lighted fools
The way to dusty death.
Out,out,brief candle!
Life's but a walking shadow,a poor player
That struts and frets his hour upon the stage,
And then is heard no more:it is a tale.
Told by an idiot, full of sound and fury,
Signifying nothing.
("Shakespeare,Macbeth,actⅤ,scⅤ”)
あすが来、あすが去り、そうして一日一日と小きざみに、
時の階(きざはし)を滑り落ちて行く、その世の終りに辿り着くまで。
いつも、きのうという日が、愚か者の塵にまみれて死ぬ道筋を照らしてきたのだ。
消えろ、消えろ、つかの間の燈し火!
人の生涯は動きまわる影にすぎぬ。あわれな役者だ、
ほんの自分の出場のときだけ、舞台の上で、みえを切ったり、
喚いたり、そしてとどのつまりは消えてなくなる。
白痴のおしゃべり同然、がやがやわやわや、すさまじいばかり、
何のとりとめもありはせぬ。
(シェイクスピア『マクベス』福田恆存訳 新潮社)
昔、会社のネットワークシステムと業務システムの設計開発に携わっていたことがありました。後年になって、先輩のフジシュウさんが設計したそのネットワークシステムは、フジシュウさんら関係者の知らないところで、世界的コンピュータメーカに持ち込まれていたことが分かるのですが、完成当時業界のリーディングカンパニーのシステム部門の人たちも視察に来ていました。
当時開発を指導し役員になられた「哲学者」フジトシさんは、当時の開発を振り返り、開発拠点だったビルのフロアーに並ぶ狭い設計ブースを、「あの狭く小さな場所から、先進システムが生まれた」と誇らしく言っておられました。
季節の変わり目には、部屋の模様替えをする人も多いことでしょう。モンモも8月下旬~9月初めにかけて、何年もの間、荷物置き場にして使っていなかった部屋の空調を取り替え、掃除・整理して再び使えるようにしました。
アーちゃんたちが来るタイミングに合わせて、最近の夏は尋常ではない暑さなので、エアコンがある部屋を使ってもらおうと、もう一つエアコンのある寝室が必要になり、使っていなかったアーちゃんの部屋を寝室として使えるようにしたのです。
これをきっかけに、アーちゃんに話をして全面的に使える部屋にしようと片付け始めました。机の中や、クローゼット、本箱の5~6割は、元のままになっているのですが、ラックの中身や机の下のものを段ボールに保管しておくだけにして模様替えをおこないました。そしてこんな部屋になりました。
ダ・ヴィンチ『ほつれ髪の女』の隣にあるのはアーちゃんの工作物
コンセプトは「思索と創造」の場所。
椅子に座って見上げれば、地球儀とダ・ヴィンチ、豪州国旗。
ベッドのある側の壁を中心に絵画を巡らせ、
フェルメール、ダ・ヴィンチ、ルノアール、ユトリロ・・・。
ベッドは通常使っていないので寝具が置いてあります
ドアを開けたままにして、秋風が吹き抜けるオープンスペース風に使います。
誰もがここにきて自由に本を読み、風に吹かれて世界を見つめて考える場所。
思索し、表現する空間。
6畳ほどのスペースにベッドを置いているので、とても狭いのですが、ミーちゃんに頼んで「モンモ工房」という表札を入口のダ・ヴィンチ自画像のそばに作ってもらうことにしました。
ダ・ヴィンチ自画像のそばに「モンモ工房」の表札が掲げられる予定です
この狭く小さな場所から、私はどんな認識を創造することができるのだろう。
ダ・ヴィンチよ、願わくば大いなる世界基準をわが知と魂に与え給え。