遥かなる「知」平線

歴史、科学、芸術、文学、社会一般に関するブログです。

太陽の質量

太陽は動かない
レオナルド・ダ・ヴィンチ 1452-1519年)

 (注)コペルニクス(1473-1543年)の太陽中心(地動)説を述べた『天球の回転について』が刊行されたのは1543年3月、ダ・ヴィンチが死んで24年後のことである。

私は天を測った。そして、今、影を測る。

天の果ては知性であった。そして、地の果てに肉体は休む。
ヨハネス・ケプラー 1571-1630年 ケプラー自身による墓碑銘)

 

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年月がたち、変色してボロボロになった高校時代の物理の教科書がある。
大学入学時に、高校時代の参考書もノートも全て捨ててしまったのだが、なぜか教科書だけは実家に残していたのだった。

それをまた読み始めた。
もう随分前の時代の教科書なので、現在のものとは編成内容も異なっているだろうが、古典力学は同じだろうと、構わずに読み始めたのだ。

理科系の人には初歩的な内容だと思うのだが、文科系のモンモは大学受験では『生物』を選択していたので、物理の試験は一夜漬けで定期試験を切り抜けてきた。
改めてじっくり物理の教科書を読んでみると、これが結構楽しいのだ。

 昔の教科書ながら、なかなか良くできている、「さすが、教科書」と感心する部分と、「でもここは説明不足だろう」と論理を補足しつつ読み進め、基礎的な問題を解いている。

と、ケプラーの第三法則(注)をニュートン万有引力の法則を使って証明し、それに関連する「太陽の質量」を求める問題を解いたら、巻末にある答えと違っていた。

【問題】 「太陽の質量」を求めよ。

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他の資料を調べると、太陽の質量は「1.989×(10の30乗)」とあったので、教科書巻末の答え「20×(10の30乗)」は誤りと判明した。「2.0(≒1.989)×(10の30乗)」の間違いなのだろう。

(注)ケプラーの第三法則;惑星の公転周期の2乗は、長円軌道の半長径の3乗に比例する。上記の式④が、その証明になる。

手書きのノートを記載しましたがお許しを。