遥かなる「知」平線

歴史、科学、芸術、文学、社会一般に関するブログです。

クリスマス 月と星への祈り

記憶の空へ(「はてな」Ver.)

 

身を切られるような北風の中を歩いていた
目を細めて見上げた都会の夜空は
澄んでいたに違いない
星は見えなかったが、三日月の脇に金星が輝いていた

 

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あの時も、三日月と金星だった

またクリスマスの日がやってくる
必ず巡ってくる、賑わいの季節
それとは無縁に、街の片隅を歩いていた時の夜空
記憶はいつも同じ光景を映し出す

遠い日の、なぜか哀しみに満ちた月と星の記憶
「幸せと孤独」がどうして同時に存在するのか
戸惑った初めての日
時を連れて、めぐる月と星
あの日から僕は、新しい世界へ歩き始めた

ここに来るまで、たくさんの時間が流れてしまった
忙しさに夜空を忘れていても
この季節の夜空は、つい見上げてしまう
思わず、同じ月と星を確認してしまうのだ
いつもそれは、優しく輝いてくれる

一人で寂しくはないか
生きることに苦しくはないか
暖かくしているか
眠りは安らかか
そして、人生を楽しんでいるか

涙を拭いて、笑っていて欲しいと、つぶやいている
そして今は、幸せにしているかと

呼びかけるのは、いつもあの三日月と金星だ
こんなに遠くに来ても、まだあの空には届かない

君もまた同じ空を、見上げているだろうか
どこで、どんな想いで見ているだろう

思い出すこともあるだろうか
夏の木陰の涼しさや、
秋の日に流れる落ち葉の音、
春、夕闇に浮かんだモクレンの花

記憶に刻まれた日々は、希望に変ったか

きっとあの月と星は、君の未来につながっている
いつか、君の「夢」に届くようにと運命に祈る
そして、この日を起点に、
また明日から、一人で歩いていけると思うのだ

もし君が、一人ぼっちなら
この腕の中で眠るがいい
神様は、きっと祝福してくれるだろう

(完)

(注)随分昔に作った詩です。オリジナルを修正しているので「はてな」Ver.です。
2011年の12月24日、25日の月齢は、三日月ではありませんが、ご容赦を。