遥かなる「知」平線

歴史、科学、芸術、文学、社会一般に関するブログです。

エッセイ

リフレッシュ休暇の勧め

均質化、同質化の論理が、サービスや製品の品質管理にとどまらず、日本社会のかなり根深いところにまで浸透しきっている・・・人間そのものまでが、この論理でがんじがらめにされている。一番典型的なのが、教育の現場だ。本来能力をのびのびと伸ばすべき現…

Station Black Out(全交流電源喪失)

2013年7月9日、元福島第一原子力発電所の所長だった吉田昌郎さんがお亡くなりになりました。謹んでご冥福をお祈りいたします。(7月9日追記) ----------------------------------------------------------------------------------------------------------…

基督降誕祭(クリスマス)前後

いつも満天の星とは限らない厚い雲に覆われた地上に光は弱く都会を淡く映し出している 北風は冷たく頬を叩き時おり、小さな雪片を遠くから運んでくる そんな空の下でも、日本のクリスマスは賑やかだ キリストとは無縁な人々に、 恋人たちに、そして子供たち…

「常識」と「普通のこと」

みんな頭を痛めてるんなら、なぜ対策をとらない?だが、それが人間の性質というものだ。手遅れになるまで、だれも対策を講じようとはしない。 交差点の構造が問題になるのは、子供が事故死したあとと決まっている。(マイクル・クライトン 『プレイ』 早川書…

ヴァレリ 「海辺の墓地」から(2)

Le vent se leve.Il faut tenter de vivre!風がたつ・・・いまこそ生きようとしなければならぬ(ポール・ヴァレリ 1871.10.30-1945.7.20) ユトリロ ノートル=ダム・ド・ボンヌ・ギャルド大聖堂 1925年 「生への確信」をなかなか掴…

ヴァレリ 「海辺の墓地」から(1)

ああ 思念のはての慰めよ 神々の静けさへのひたすらな凝視よ(ヴァレリ「海辺の墓地」から) 南仏セート 海辺の墓地 大学を出て就職したとき、東京に何冊かの本を持ってきた。シェイクスピア2冊(新潮社・世界文学全集)、辻邦生の『背教者ユリアヌス』と『…

負けるもんか!「成果主義」

頑張っていればいつか報われる。持ち続ければ夢は叶う。そんなのは幻想だ。 たいていの努力は報われない。たいていの正義は勝てやしない。たいてい夢は叶わない。 ・・・、けれど、それがどうした。スタートはそこからだ。 新しいことをやれば、必ずしくじる…

3.11 追悼から希望へ

人の一生てのは一回きりだ・・楽しくないとか、悲しいことがあったから、なんて言って、やり直せねえんだ。・・みんな、一回きりの人生だ。・・ だから、何があっても、・・死にたいほど悲しくても、・・それでも、それでも生きていくしかないんだ・・なぜな…

一人になっても逃げよ

地震の揺れがおさまったら、一人になっても逃げよ、家には戻るな、親が帰るのを待つな(釜石小学校の子供たちは、いつもこう言われていた) 2011年3月12日午前6時頃の釜石市内(河北新報社『特別報道写真集』より) 今日の『NHKクローズアップ現代』…

窓枠の風景画

そこには「悲しみ」もあれば「よろこび」もあり「孤独」もあれば「不運」もある。・・・むなしい時の流れにひたされながら強大で、残酷でいてやさしい人生。(辻邦生 『モンマルトル日記』集英社 1974年) モーリス・ユトリロ 『クレイエット城』 193…

現代戦はいかに始まるか

ふさわしい場所におかれた一人のスパイは、戦場における二万人の兵士に匹敵する(ナポレオン) 間を用い、間を行うは兵法の大事なり(山鹿素行)(注)「間」は、スパイ。「間者」「間人」。 B-2ステルス爆撃機(米国) 中国古典には多くの「兵法書」があ…

子供の時間

生涯のある時期における時間の心理的な長さは、その人がその時まで生きてきた年数の長さの逆数に比例する。(ジャネの法則;ピエール・ジャネ 心理学者 仏) 時間は幸せなときしか流れない。(古代ローマの箴言) 時間というものは存在しないように見える。…

人間の「知」を求めて 科学と芸術の世界へ

汝自身を知れ、さすれば神と宇宙を知るであろう。(アポロン神殿) 幸福の技術とは、・・・掛け値なしの金剛石的な強靭さを秘めた知性のことである。(茂木健一郎) ラファエロ『アテナイの学堂』1509~10年ラファエロの間、教皇宮殿、ヴァティカン美術館 こ…

3.11 津波との競争

きみがこの先の人生を切り抜けていきたいと思うなら、死んだ者をあきらめることを学ばなければならない。J・ディーヴァ― 『ボーン・コレクター』 文春文庫 3月11日の午後、宮城県名取市。これは、東北地方を襲った津波から逃げた、友人の家族の話である。 3…

就活、企業が学生と大学に望むこと

学生の頃、朝日新聞の『天声人語』を書いていた深代淳郎さんという名コラムニストがいました。ガンで亡くなりましたが、彼のコラムは、次の朝が待たれるほど人気でした。亡くなったあと、単行本が2冊出版されています。 アメリカにも、ボブ・ウッドワードと…

採用面接、就活生の涙のわけ

まだ大学3年や院1年だというのに学生は、秋頃から就職活動をしなくてはなりません。企業も、他に遅れてはならぬ、いい学生を一刻でも確保しようと、この時期から募集を始めます。景気のいい時も、不況の時もなぜか同じ理由で、採用募集の時期を早めたり、…